家電が壊れた時に『自分で修理したい』と思ったことはありますか?私は、中高生の頃から壊れた物を修理して使う事が多く、大学生の時に腕試しで受験した『家電製品エンジニア(AV情報家電)』の試験に一発合格しました。家電の修理について、昨今ではネットに修理情報が記載されていたりしますが、私の場合の基本的な修理手順と部品入手方法についてご紹介致します。
家電修理に関して
法規的な解釈を行った場合、所有権を有する物に関して、修理を行う事で法律に抵触することは基本的にはありません。(一部の分解整備に有資格者が必要な物を除きます)
しかし、修理を行うことを好ましく思わないメーカーがあるのも事実です。これは分解していじられることで故障内容が変化(悪化)することを嫌うためであったり、改造を嫌うためであったりします。あまり素人に触られるのはメーカーからは歓迎されませんが、所有者が分解修理に関して法律上問題ありませんが、感電や火災事故の恐れがあるため、ご注意ください。
ご注意
家電修理の考え方について個人的見解を述べている文章になります。修理を自分で行う事に関するリスク(さらなる故障、火災等)を十分にご理解いただいた上でご自身の判断にてお願い致します。本内容を実践したことに関して生じるいかなる損害についても責任を負うものではありません。
基礎知識に関して
家電修理の場合、必要となるのが『工具』、『電気・電子理論』、『測定器』になります。これらについては別でお話しするとして、基礎知識として持っておいた方が良いことについては、『修理技術の基礎 家電製品協議会編』の本で私は学習しました。
一般的な修理手順
修理を行う際、『現象』→『原因』→『処置』という流れで作業を行います。それぞれ、どのように作業を行っていくのかを解説していきます。
『現象』
色々情報を吸い出します。原因特定が困難であればあるほど、詳細な情報を引き出したり、観察する必要があります。主に必要とされる情報は下記になります。
- どういう状態なのか、何が思うように作動しないのか
- 以前と比べて、どうなったのか(音がうるさくなった、カタカタ鳴る等)
- 発生確率(毎回不具合発生するのか、たまに発生するのか等)
『原因』
原因と思われる部分について、予測を立てます。「○○(原因)が故障しているため、△△(現象)が発生した」という流れが一番スマートです。
しかし、時には一発で原因を突き止めることが困難な場合もあります。その場合は『原因予測1』→『処置1』→現象改善せず→『原因予測2』→『処置2』→現象改善
のような複数回のtrial and errorを行うこともあります。
『処置』
原因と思った事に対し、行った作業になります。「○○(原因)が故障したので△△(現象)が発生したので、■■を交換した(処置)。」という流れになります。前述もしましたが、原因がはっきりと特定できない場合は、複数回処置を行うことがあります。また、処置を行うには付随する部分の処置も必要になることがあります。例えば、電子レンジの重量センサーを交換した場合はゼロ設定が必要であったり、初期化を行う必要があったりすることも処置として行わないと、正しく動作しないことがあります。
部品の入手に関して
メーカーにもよりますが、「お客様相談窓口」「サービスサポート」に電話して、欲しい部品の場所を伝えると、部品販売可能かどうかを教えてくれます。ただし、メーカーによっては部品販売はしていないので、修理窓口へ出してほしいと言われる事があります。個人的経験で今までに問い合わせをした中で部品販売に消極的だったメーカーは「SO○Y」、「EP○ON」、「CA○ON」等でした。
電話問い合わせする際の確認事項
電話問い合わせする際に、スムーズに話しをするために、事前にいくつか確認しておいた方が良い事があります。
- 型名、機種名(場合によっては製造番号も)
- 欲しい部品名(分からない場合は、部品の場所の説明)
- 部品の単位(アッセンブリーか、単体品なのか)
ここまでをサポート窓口に伝えると、部品が販売可能かどうかを教えてもらえます。ここで窓口より聞いておきたい情報は下記になります。
- 部品の販売可否
- 部品の在庫、納期、価格
- 部品の正式名称、部品コード
- 部品の注文方法
部品の入手方法について
部品の入手方法はメーカーによって可否がありますが、下記のいずれかになります。
- 家電販売店(量販店)の窓口経由で注文
- メーカーのサービスセンター窓口で購入
- メーカーのサービスセンターから通信販売で購入
- ネットショップ経由の販売
この中で一番メリットがあるのは、「サービスセンター窓口で購入」ですが、拠点数が減っていることもあり、あまり現実的ではありません。上記リストの上から順番にお勧め順としております。「ネットショップの販売」がお勧めが一番低いのは、在庫を持っていない場合がほとんどで、注文後発注だとルートによっては納期が他よりかかる場合があったりする点です。実際に注文してみないと分かりませんが、納期が早いことはまず無いです。
家電販売店(量販店)の窓口注文のやり方
①サポート窓口(修理受付カウンター等)へ向かいます。
②部品注文の旨を店員さんへ伝えます。
③メーカー名、型名、部品の正式名称、部品コードを伝えます。
④先払い(手付金)が必要な場合は支払いを行います。
⑤部品到着後に電話連絡が来るので、引き取ります。
部品の入手に関しては概ねこのような感じで、お店にもよりますが普通にポイントが付いたりもします。また、注意点としては、注文販売になるため、初期不良や輸送破損では無い限り返品はできません。
まとめ
今回は修理の大まかな流れと部品注文についてまとめてみましたが、次回は故障個所の特定に関して少し解説をしていこうと思います。